なかにし礼氏は満州からの引揚げを体験されて、死と隣り合わせの日々を子どものころに送られたことが大きく影響を与えていると、生前のご本人が話していらしたのをTV番組で。
作家の五木寛之氏や、歌手の加藤登紀子さんなど外地で「日本敗戦」を体験されて引き揚げてこられた方の心に残っている傷の深さ。
なかにし礼氏のお兄さんも戦争から生きて帰ってこられて、「一か八か」のような生き方の中で手掛けた事業がことごとく破綻。「石狩挽歌」に込められた兄への想い。その借財をなかにし礼氏が背負って必死に返済。
「兄弟」という本も出版されています。肉親の愛憎とひとくちでは言えない重く心にのしかかった苦悩を読ませていただきました。
でも、それをアン・ルイスさんが歌われた「グッド・バイ・マイ・ラブ」として歌詞に表現されていたことは全く知りませんでした。
「歌を書くというのは、いつもその時そのときの私の想いを書くだけ。」と語っていらした礼氏。
弘田三枝子さんのヒット曲「人形の家」には外地からの引揚者の胸の底に沁みついた、国から見捨てられた日本人の悲惨の二文字では表せない死と隣り合わせの日々が。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」には兄への想いが。。
この歌をテレサ・テンさんが中国語で歌われるときに流される涙。私は勝手に思っているのです。台湾で生まれ育ったテレサさんと、中国本土から来られた両親の抱えていらした「国」という大きな軋轢。台湾は今現在も、また常に「国」の問題は重大事です。
彼女の早すぎる死。亡くなってもまだ慕われる彼女の立ち位置にも表れているように思うのです。
なかにし礼氏の壮絶な戦いの人生に改めて哀悼の意を。
================
にほんブログ村「団塊の世代」カテゴリーのランキングに参加中です。
いつも応援クリック有難うございます♪