岡山大学学術研究員 環境生命科学学域 教授の宮竹 貴久氏の「みかん」に関する文章を読んで「知らないこと」をまた教えていただきました。
日本の🍊に、いいえ果物や野菜の生産に未曾有の被害が到来して危機的な状況にさらされる可能性があると書いておられるのですから驚きました。
「ミカンコミバエ」という外来種の「ハエ」が果物や野菜に卵を産み付け、幼虫が実などを食べて腐らせるのだと。日本では1919年に沖縄本島で初めて確認され「有害動物」に指定されたとあります。それから70年に渡って国と地方自治体が長年駆除・防除に取り組んで、1986年に「根絶宣言」が出されたそうです。
ところが、2020年になって(一昨年ですよね)鹿児島で5匹、宮崎で1匹の「ミカンコミバエ」のオスが発見されたのに続いて2021年には長崎・熊本・鹿児島で発見。昨年1年間で514匹のオスの成虫がみつかったとのこと。
教授は「1986年までの日本の南西諸島ではみかんの房の中にハエの幼虫がいるのがありふれた光景だった。」と書いておられるのです。「えっ!」と私が子供だったころの冬のこたつで🍊を思い出して「そんなことって!」とたじろぐと同時に、このところの外来種のもたらす恐怖を身近に感じました。
世界的に「ミカンコミバエ」の生息域の拡大が確認されているのだそうです。日本では九州で再発見されるようになっているので、九州以外の地域に住む人には広く知れ渡っていないと。
アジアの近隣諸国から風に乗って飛んでくる「ミカンコミバエ」を侵入の初期に発見して早急に初動防除のためにトラップを仕掛けて調査を続けておられるそうです。
「温暖化」と「コロナ禍」のリスク・ 「温暖化」で気圧の配置が変わって、風の吹くルートの変化は一因と考えられているそうです。しかも「ミカンコミバエ」にも変異株(ここでも変異株という、コロナで懲り懲りと思っている言葉を見て。。生物は変異するものなんだと認識せざるを得ないのですね。)とも言える複数の種類が東南アジアにはいるようです。トラップもかえなければならないと、厄介なことを人海戦術でしないといけないのに、立ちはだかるのが「コロナ禍」で人手が他の部署にとられてしまっている現実。
そんな中、国と地方自治体の職員の必死の調査と防除の結果、ついこの前の2021年12月14日時点でもう一種の「ミバエ」の発生はほぼ抑え込まれたと思われると書いていらっしゃいます。「コロナ禍」で現場で努力された方々に頭が下がるとも。
地球温暖化が今のペースで進むと、今年の九州の厳冬期を超えられないであろう「ミカンコミバエ」も九州以北地域の温室ハウスで「ミカンコミバエ」が冬を越す可能性も!
アメリカ産のオレンジをスーパーで買える時代です。しかし、だからといってみかんが食べられなくなる日本にしてはいけないのです。みかん農家にとっても死活問題ですし。
「外来種ランド」で生きているのが現実だとも書いておられます。ヒアリ・セアカゴケグモ・ツマアカスズメバチ・エキノコックス・マダニ(つい先日70歳代の男性がマダニに噛まれて死亡との記事を見て驚いたばかりです)対処していくには人の繋がりが重要だとも書いていらっしゃいます。
あっちにもこっちにも外来種の被害が。ですが、九州のみかんの危機は全く知らなかったことでした。
サンマが不漁だったというのも、海水温の上昇からでしょうか。台湾や中国が外洋でごっそりととっていくのだというのも報道されていましたが。地球温暖化はあらゆる危機を、変化をもたらしていくのでしょう。人が地道な努力を続けてみかん農家や農産物の生産者を広く守っていかなければ、食は私たちの生活に必須の要素なんですから。
日本の冬のみかんが消えないで❣現場で奮闘してくださっている農業、漁業の方々に深く頭を垂れます。
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