昨夕「たけのこ」のことで留守電に入れていた女性と連絡ができて。急いで「たけのこ」を持っていったんです。
10年前はよくお会いする機会があったのに、このところご無沙汰していました。彼女は以前は介護の仕事をして肩を痛めたのよと聴いてはいました。久しぶりに会ったら「私、働いてるのよ。週に3日ほどだけど。」と。
年齢のことなど話した記憶がなかったのですが、「まだ働いてるの?」と彼女が私に。「いいえ、もう70歳よ。」と答えた私に「私もよ。」と彼女。初めて年齢を知ったのです。
「まだ、仕事あるわよ。」と彼女が続けて。話の中で精神障害者の方の施設での調理の仕事で1日5時間だからいくらにもならないんだけどねと。
私が思わず「どこからその仕事の話がきたの?」と聴いてしまったのです。「自分で探したのよ。」と思いがけない返事がかえってきました。穏やかな女性で、以前介護の仕事の話のなかで「お年寄りを芋の子を洗うようにお風呂に入れる人がいてね。そういう人が優秀だと思われるのよね。」とぼやいていたのを覚えていたものですから。もう仕事はされていないのではと思いこんでいた私。
勝手な憶測でしか人を見ていない自分を少々恥じながら、話す彼女の仕事の内容には驚きました。報道などで知っているような気にはなっていたものの実態は全く知らない世界でした。
「統合失調症の40歳代の若い男性がいてね。大抵ずっと寝てるのよね。でも話すと普通で、たまに叫んだりする程度の人とか。別の若い男性は女装が好きで、最初に真っ赤なロングスカートを履いていたときはびっくりしたけど。イヤリングをつけたり好きみたいなのよ。でももったいないわよね。働き盛りの年齢なのにね。」と彼女の口から出てくる内容は現実にそこで働いている人の生の声なのです。
先日3駅先まで電車に乗って行った折に、私が運動だとの思いから立っているとドアのところにもたれかかるようにいた中学生くらいの男の子が何かボソボソと喋っていたのです。1人で。
何を喋っているのかまでは聴こえない、その低いボソボソと言葉を発しているのを見たときに(少し病んでいるのかな?この男の子は。)と感じたのです。
最近は電車に乗ることが少なくなっているのですが、コロナ禍で皆さんがマスクをして言葉を発しない静まり返った電車内。2年前ですか、コロナ禍になって久しぶりに娘と乗った電車内で私が普段のように喋りだして娘に注意されたことがありました。注意されて見渡すと、皆さん沈黙されていたんです。あの時以来静まり返った電車内には慣れたものの。。
コロナ禍が子どもたちに良くない影響をもたらしているとは聴こえてはいます。でも、生の声を耳にしたことはないのです。
大人でもこの以前とは違う環境に戸惑い、何かしらの違和感を感じながら仕方なく生活しているのですからいわんや、子どもたちはどれほどでしょうか。
「たけのこ」がきっかけで知った70歳のご近所の彼女が働いて見ている「働き盛りのひとが、もったいないわよね。」の言葉のもつ重さがズシンと鉛のように残っています。
彼女は田舎におられるという95歳のお母さんに会いに「明日田舎にいくのよ。たけのこを煮て持っていくわ。頭はしっかりしているんだけどね、心臓が悪くてね。」と最後に言っていましたから。今頃は田舎に向かう電車のなかでしょうか❓
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