通勤で通っていた電車に乗って、乗り換えて降り立った駅。駅前には小さなお店が並んでいて5〜6年ぶりに歩きながら、思わず「あっ、お団子屋さんがなくなっている!」と声に出してしまっていました。そしたら、傍に立っていらした白髪の80歳くらいに見える男性が「そう、なくなったんだよ。」と穏やかに応えてくださいまして。子供みたいな自分に思わず笑ってしまっていましたわ。
いつも美容院の行き帰りのどちらかでお団子を買って、美容院に差し入れしたり、お土産に持ち帰ったりしていたものでした。
あとはあまり変化に気づかず、小さな旅にでも来た気分で歩いて。でもね、小さなカラオケスナックの2階の開け放った窓から年配の男性のマイクを通した歌声が聴こえてきたのですわ。思わず見上げてしまいました。向いから歩いてきた年配の男性も見上げてましたよ。みんな引きこもりでいた分の発散をしたいのだと分かるので、「いい声ねえ♫」と聴きながら歩いて行きました。
美容院のドアを開けて「ご無沙汰していました。」と声にしながら。持っていった「どらやき」の気持ちばかりのお土産を渡して。美容師さんはいつ食事をとれるのかしらとよく思っていましたので、ぽんと口に入れられるようにとね。同じサービス業で働いていたものとして、いいえもっとキツイ労働条件だと思いますから。少ない人数で回しているサービス業の人はね。太れないですもの。
こじんまりしたお店ですが、腕がいいのは百も承知なので安心して任せられます。相変わらず細身の美容師さんの笑顔が懐かしくて。頑張っていますよねえと、息子と同じ年なので感慨深いものがあります。
ササッときれいなハサミさばきで髪の毛を切っていってくれて、いつも黙って座っていればよかったのですが。髪質も変わってきているので、デパートで働いていたときとは違う柔らかい髪型の提案をしてもらって納得して、あとはおまかせでバッチリです。
どこが?と言われると、「この微妙な違い」は本人の私にはよく分かるのです。美容院も数多くありますし、美容師さんもたくさんいらっしゃるのですけれど、私が自分で嫌だなと思っているところをうまくカバーしてくださる方にはなかなか当たらないものなんです。
髪質、年齢、顔の形などそれぞれに違う人にピタッとくる髪型を、腕ひとつで作り上げる職人気質と美意識と人間性とあいまって、心地よい気分で帰路につけるのは嬉しいことです。
はなまる💮をあげたい気分になりますよ。地元で3軒の美容室を利用して「なにかが違うわ。」としっくり来なかった経験をしていますしね。
数年は低料金の美容院でヘアカットしてもらって妥協していましたけれどね。顔の作りが雑なぶん、せめて額縁にあたる髪型でカバーして気持ちよく過ごしたいと思っていました、常々。
お金をかけないお洒落をしていても、髪型が決まっているとやっぱりいいものです。女性に限らず、男性もイメージがガラッと変わりますからね。髪型で。
母が職人気質の美意識を持っていた人だったせいか、頭からつま先までトータルに雰囲気を合わせていたいと思ってしまうのです。着物でもまだまだ未熟なのに、理想だけは高くて何度も帯を締め直したりしていましたっけ。
だいぶん前になりますが、一度玄関からでたものの「なんだか靴が合っていないわ。」と引き返してきたことがありました。
高い、安いではなく、私が思うトータルコーデイネートですね。ちぐはぐなのが嫌なんですよね。。色は2色までに抑えるとか、基本はモノトーンの渋めが好きなんです。歳を重ねると明るい色をと言われるのですが、モノトーンから脱却できないでいます。
さあ、さっぱりスッキリしたので気温が上がってもOK❣気分もアゲアゲになって、晴れがましいほどになりました。
帰りに、古本屋さんで宗教学者の山折哲雄氏の「死」にまつわる本と、AIと人間に関するビジネス書を330円で買って立ったまま電車の中で読みながら帰ってきました。
小さな旅もひとまず終わりました。
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