夫婦はもともと他人です。
親子は一応、血縁関係。血縁がなくても、すこぶる仲の良い親子関係を保っている方々もいらっしゃいますし。
私自身、実の母と折り合いが良くなかったので、これは「相性」というものなのか、そうした関係性のまま母は亡くなりましたけれど。
私は育つ過程では知りませんでしたが、徐々に世の中には、そうした親子関係の方がいらっしゃることを知るようになりました。
もちろん仲の良い親子さんも、たくさんいらして、それぞれなのですけど。
私の娘は、娘で「母はわからない。父の方がまだ理解できる。」と言うのですから、因果は廻るらしくて。
まさに「親子とは因果」
人間とは、ひとりひとりが個別の生命体ですからね。
「親子」というくくりだけで、全てを理解し合えると思うのは錯覚でしょう。
兄弟も昔の人は「兄弟は他人の始まり」という言葉を残していらして。
仲の良い兄弟もまた多くいらっしゃるとは思いますが。
4人、5人と兄弟がいらっしゃる方から、「二番目の姉とは、兄とは仲がいいんだけど。」とかお聞きすることもあって。やはり相性かしらと思っていました。
かくかく左様に、人間とは複雑なる生物のようでして。
連れ合いが高校を出て入社した会社の上司だった方の訃報が昨日届きました。奥様から。
連れ合いの5歳年上でいらしたことを、知ったのですが。
年賀状を何十年と書いたのは、私でしたので。連れ合いの筆不精ゆえに。お名前はよくよく存じあげていました。
連れ合いが少し眼を潤ませながら言ったのは、何かと敵の多かった会社の中で、その上司の方だけは連れ合いのことを理解してくださっていたのか、いろんな局面で助けていただいたり、連れ合いの性格を見抜いたように適格な言葉をかけてくださったのだそうです。
不思議なことですよねえ。まったくの他人でいて、たまたま同じ会社に所属していただけなのに。その方も「高卒」でらしたとは言っていましたが(関係があるかどうかは定かではありませんけれど。)
男気のある方だったと、遠くを見るような目で話していた連れ合い。
「AI」の話題が増えている今、「男気」のある「AI」とか出てくるのかしら(^_-)
人間同士ゆえの「しんどさ」もありながら、人間だから救われる部分もあって。
血縁に関わらず、人間って「不思議な生物」




