親しく話をしていた近くに住んでいらっしゃる、年上の女性。ずっと句会に通っていらしたり、新聞の気になる文章を書き留めたりされていてしっかりとした女性でした。
コロナ禍でお会いする回数も減ってしまい、最近やっとお会いできるようになったのに。我が連れ合いの顔も分かっていらしたのですが、今は忘れてしまわれたようだと連れ合い。
私の顔はお分かりになるのです。このところ、杖と車輪付きの買い物バッグを頼りにボチボチと歩いてこられて我が家のインターホーンを鳴らされます。でインターホーンに出るのですが「耳が遠くなったのよ。」との言葉通り聴こえないのか、ドアをドンドンとたたかれます。
ここ2度ほどドアを開けると、話されることは同じ内容なのですが「ええ、はい。そうですか。」と相槌を打って応えるようにしています。私の言っていることはあまり聞こえていないようです。
ただ手ぶらで来るのができない世代の方なのです。想像するに多分家の中を見渡して「これ!」と思うものを持ってきてくださるのですが、プラスチックの使用済みで洗ったお椀状のものを数個お持ちになって「これね、モノを入れるのに役立つのよ。」と。
断るのは傷つけることになると思うので頂いて、プラゴミとして捨てています。
切なくなりますね。ご自身の考えもキチンと持っていらした方なのにと、お元気なころを知っているだけに。息子さんたちだけなので、そんなに話す機会がないのもあるのではと思い、話相手になるのはいとわないのですが。
会話にならないのです。それでも、聴いてあげるだけでもいいのだろうと思いながら。
年齢を重ねる切なさと、遠くて親孝行をしていなかった私に「親孝行のつもりでお相手しなさいよ。」と空の上から言われている気がしています。
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