友人から電話がありました。大腸がボロボロなので食べられないご主人は栄養の点滴とモルヒネの点滴のみなのに、2日後に初めての1泊の帰宅だそうなんです。そのために介護保険もきかないけれど、介護用のベッドと車椅子を借りたんだと彼女は言っていました。「介護保険料は払っているのにね。」と言ってていましたわ。
まだ緩和ケア病棟に入院しているあいだは「介護保険」扱いは受けられないのだと、未経験の私は初めて聞きました。もっと驚いたのは「介護タクシー」の料金です。車で5分ほどの距離なのに料金が「1万5千円」ですって!思わず「あなたが乗ってる車で迎えに行けばいいじゃない?」と言ってしまいましたが、「体を横たえた状態で乗るから、私の車では無理なのよ。」と。
1泊の帰宅と言ってもよく聞いてみたら、栄養の点滴を十分にしてしまってからモルヒネだけで、夕方に帰宅して翌朝には病院に戻るというかたちだそうです。
彼女との話しのなかで「天日に干したタオルだと痛いというから、主人のタオルだけは乾燥機で乾かしてるのよ。そうするとフワフワになるから。」と聞いて、やっぱり相当衰弱(当然なのですが)されているのだと改めて気付かされました。それと「入院してるとタオルっているよねえ。」とお茶のあとで通りかかったタオル屋さんに立ち寄って見ていたんです、彼女。
でも、買わないでいたのが私の頭に残ってしまい、「今治タオル」を彼女におくったんです。できるだけ柔らかいタオルをと。
彼女が「ありがとね。このタオル、柔らかいね。」と言ってくれたので、ホッとしました。ご主人は「食べたいね。」とおっしゃるのだと聞いて、食べたい気持ちがおありになるんだというのも初めて知りました。お茶した日の彼女は用事があったので、制限された時間でしか話せずに終わりましたから。食べたいのに大腸がダメだから食べられない辛さを思っていると、彼女「食べられるときに、食べときなよ!」と私に言うのです。そういう彼女も食べられないご主人を前に「私がなにを食べるのよ。ねえ、食べられないでしょ。」と言ってもいました。確かに食べられないわと思いました。それもあり、心配もありで彼女も痩せてしまったんですねえ。
彼女はパソコンは使わないので、ご主人が野菜の直販をネットで頼んでいらしたらしいのですが。「食べられないのに、今頃届くんだよね。その野菜が〜」と。彼女は全くパソコンを触っていないようで、解約もしていない状態だからですよね。少し、泣き笑いのように言っていました。キッチンに立つご主人でしたから、美味しいものが大好きな美食家でらしたのを聞いて知っていたんです。
私は彼女がひとりでは不安だろうから彼女の家に行こうかしらとも、ずっと考えていました。でも、夫婦ふたりだけのほうがいいのかなとも。揺れてばかりいました。
聞いてあげるだけでも違うのかなと思ったり、このコロナ禍ですから特に。
最後に「私がひとりのときにおいでよ。」と彼女。「そうね。」と電話を切りました。無事に楽しい時間が持てますように祈るだけです。
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