今90歳の女性が18歳の時に、同じ歳の女性たちと3人で「花遍路」と称して歩かれたそうです。野宿もしたりしながら。
「口減らし」という言葉は私も言葉としては知ってはいましたが、まさにその当時18歳の女性は「ああ、口減らしなんかな。意地でも頑張って歩いて家に帰る!」と思って、ひたすら歩き通して家に。
もともと体が丈夫ではなかったというその18歳の女性が3か月後でしたか、家に帰るとお母さんがしばらくじっと顔を見て「うちの娘や!」と泣きながら抱きしめられたとの思い出話をなさっていました。
「口減らし」とは江戸の時代から、いいえその前から農家が飢饉にあったりしたら食べるものがないという現実に直面しての話だと思っていました。
食べるものがなくてひもじいという経験はしたことがないことに感謝なんだと。
戦後79年。「火垂るの墓」の佐久間のドロップの缶が象徴する飢餓が遠いことのように思っていましたが、決して過去のことではないと世界の報道が伝えてきています。
まして、世界中で多発する水害、干ばつなどでますます食糧危機が近づいています。ウクライナの豊かな農産物が実る大地を砲弾がこっぱみじんに破壊しつくして、その影響が欧州のみならず、アフリカや多くの国に及んでいる現在。
八十八か所のお遍路の道々での「お接待」に助けられて、歩みを進める人々の静かな祈りが満ち溢れ天に届きますように。
人間がいかに愚かで小さい存在でも、花は咲き、山は青く、自然の営みは営々と続いていってくれますことを。
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