もっと美しく、もっと、もっと、と願望は果てしなく。
贅肉を取り去りたいと願う人がいて、一日に一食さえもままならない人のために子ども食堂が存在して。
二重顎やお腹の肉のたぶたぶは、必要以上にカロリーを摂っているか、もしくは体を動かしていないから。普通は、ね。病気でないならば。
私のお腹も 腹筋運動をしなさいと、子どもから言われていますのに、してないゆえのたるみ。
医学を学んで、命を助けようと頑張る人よりも、美の為に医学の知識を使う人のほうが高額な報酬を受けられるのだとか。
世の中が不公平なのは今に始まったことではありませんけれど。
森進一氏が歌われる「うさぎ」の歌詞に ♪ おなかを空かす つらさなら 誰よりぼくが知っている 待ちかねていた うさぎたち さし出すえさに飛んでくる ♪ 作詞:保富 康午氏 作曲:猪俣公章氏
こう書いている私も、ひもじい思いをすることなく今に至っています。
昨年逝った義兄が、戦後すぐの厳しい暮らしのなか「ひもじさに生の人参をかじった」と話していたと納骨の後に義姉から聞いたとき、胸に突きあがってきた熱いものがありました。
末っ子である私の連れ合いに逢う度に、「大丈夫か、暮らしていけているか?」と尋ねていた義兄のことを不思議そうに、連れ合いは言っていたのです。「食べていけるか?」と案じる、そんな義兄に守られていたことすら気づいていなかったのだと。
戦後80年。