「兼高かおる世界の旅」を食い入るように見ていた10歳頃の私にはあまりにも遠いエキゾチックな国、エジプト。まず行ってみたい国でした。
半世紀以上を経て実際に行けることになったのです。エジプトの空港についてバスでレストラン、それもギザのピラミッドが見えるレストランでしたから、景色がごちそうでしたね。食事よりも。娘から「ピラミッドはみたんでしょ。食事の話ばかりじゃない?」とお叱りを受けた私ですが。
まだ見ぬ外国、エジプトに行ってみると不思議なもので、「兼高かおる世界の旅」をテレビで見ていたピラミッドが目の前にあると、感受性の高かった10歳から半世紀も経たせいなのか表現する言葉をみつけられないのですが。「う~ん、あれがピラミッドなのね。これがスフィンクスなんだ。」と歓喜するような感覚ではなくて「大きい石をよく積み上げたものね!」と現地ガイドから登っていいと聞いて登り始めてその石の大きさには驚きましたけれど。
憧れているときのほうが自分のなかでふくらませているものなのかもしれません。いざ目の前に現れたときはもう夢の中ではなく現実。その中を意外に淡々と見てまわっている私がいるのです。子供だった頃なら「ワーワー!」と声にだしたかもしれないのですが。
どこか一部夢のようでもあり、でも現実にその地にいるという不思議さというのでしょうか。
今も海外の美しい景色をテレビで見ると「行ってみたいな。」といつも思うのですが。国内の旅は温泉や美味しい食事をいただいて楽しいのです。海外への旅で美味しいものはめったにいただけないし(安いツアー旅ですから)、食事に期待は始めからしていなくて(でもエジプトほどお腹をこわすことは経験がないですが)未知の国への好奇心、ホテルの室内に入るとまずテレビをつけて外国語に包まれて「ああ、海外にきてるんだ!」と実感するのが大好きなのです。
子どもの頃から海外への憧れが募っていたのだろうと。なんとも言えないワクワク感、ドキドキ感と共に、決して行くことが出来ないと思っていたあの渇望するものが満たされる幸福感とでもいうのでしょうか。
初めて40歳でイタリアへ旅した帰りの飛行機の窓から下をみたとき、ちょうど夕暮れ時のアルプスの谷間にちらちらと家の灯りがともり始めました。あの美しい幻想的な飛行機からでなくては見ることの出来ない光景は30年近く経っても忘れることのない感動でした。そんな感動もあるのです。
ああいう感動よ、再びと海外に行ける日を夢みています。今も!
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