あの名作の中で私が忘れられない、衝撃を受けた三船敏郎氏が演じた菊千代のセリフがあります。
「やい、おまえたち。いったい、百姓を何だとおもってたんだ?仏様とでも思ってたか、ああ?笑わしちゃいけねえや!百姓ぐらい悪ずれした生き物はねえんだぜ!米出せって言や、ねえ。(中略)百姓ってのはなあ、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだ!だがな、こんなケダモノ作りやがったのは、一体誰だ?おめえたちだよ!侍だってんだよ!戦のためには、村焼く、田畑踏ん潰す!食い物は取り上げる!人夫にはこき使う!女あさる!手向かや殺す!一体百姓はどうすりゃいいんだよ!くそー。ちくしょう・・・ちくしょう・・・」農民から侍になった菊千代だからこそ身体から吐き出すようにでた言葉に圧倒されました。
三船敏郎氏の鬼気迫る演技と迫力は言うまでもなく、この言葉を脚本に携わった黒澤明監督、橋本忍氏、小国英雄氏のどなたが書かれたのかは存じませんが。
農耕民族の末裔である私はあの言葉に多くの日本人の原点があるように思うと同時に「生きる」ということの厳しさ、残酷さ、哀しさ、表現しきれない多くのものを呼び起こされたという意味で胸の奥深くにしまい込まれたまま、消えること無く持ち続けている気がしています。
時代は変わっても、この提起された根本はそんなに変わっていないのではないでしょうか?というのが私が感じるところです。侍はいなくなっても。。百姓が農作をしない普通の市民、国民になっても。。生きていくというのは厳しいものであることに変わりはありませんので。見えにくくなっているとしても、よおく目を凝らすと見えてくる構図はパラダイスではないのは間違いないのではと思います。
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