もうすぐ97歳際の父との電話で、「粉モン」好きな父が冷凍の「お好み焼きも値上げしたぞ。今、相撲見ながら酎ハイを飲んでるんや。」と言っていました。
学徒出陣で招集されて、古参兵にスリッパで顔を叩かれたり意味もなく走らされたりと、戦地に行く前に終戦になったとは言え戦争に人生を変えられた一人です。大手の会社に就職も決まっていたのに、戦後私の祖父が当時住まいのあった街から田舎に帰るというのでその会社への就職をやめて田舎で職探しをしたんだそうです。
仕事を選ぶどころではなく、田舎にある少ない会社で慣れない力仕事をしたり模索しながらなんとかひとつの会社に決まって勤め上げたのです。
今でも、私は父が行くはずだった大手の会社の名前を覚えています。今もその会社は存続していますから。「父があの会社に行っていたら、私はいなかっただろうな。」と思ったりしました。
そんな父に「きな臭いよねえ。」と話題をふりましたが、いつもなら新聞を隅から隅まで読んでいる父なので会話が続くのに。戦争の記憶は忌まわしいのか、その話は全くしませんでしたね、父は。
97歳になろうというときに戦争の話はキツイんでしょう。
その姿勢は自分を守るために必要なのだと理解出来ました。それこそが父が長生きしている秘訣かもしれません。
生きていくためにささやかでも好きなもの(冷凍お好み焼き)を食べて、缶酎ハイを飲みながら相撲や野球を見る。身体と精神衛生のバランスをとっているんですよね。
私の歳から27年も長く生きていることが、そのバランスをうまく保ってきたことの表れなのでしょう。私が見習わないといけない点だと感心しながら、果たして私にできるかなとも。まず父の歳まで生きられるとも思っていないですし。
私のパン焼き機はまだ働いているので、パンは焼き続けてはいますが小麦粉の値上げの波には逆らう手立てもないですねえ。
================
にほんブログ村のランキングに参加中です。いつも応援クリック有難うございます♪