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「パンよりご飯」と姪っ子

aerial photography of rice field
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帰省した故郷の緑濃い田んぼや畑に囲まれて暮らしている姪っ子は「このあたりでお米作ってる家の人もお米は安いまんまやて、言うてはるわ。この辺のお米、美味しいんやけどなあ。私はご飯が好きやけど。」と言ってました。

お米離れが言われ始めてから結構経ちます。

本当にご飯が美味しくて、スーパーでお米を買っている私には羨ましい限りでした。「お米を買ってきて送るよ。」と昨年帰省したときに言ってもらったものの、自営業で何かと忙しくしているので遠慮して今にいたります。

 故郷を離れて半世紀。

 大人になった姪っ子に会うのも数えられるほどの回数です。彼女は何年間だったか、都市部に出て働きながら一人暮らしをしていました。一度だけ彼女の住むアパートに泊まって新幹線に乗って千葉へ帰ってきたことがありました。

 ベッドの横に布団を敷いて、いっぱいいっぱいの部屋に捨て猫を拾ってきたと嬉しそうに話す彼女は芯はしっかりとした穏やかな笑顔の女の子でした。

 今は生まれ故郷に戻り、パソコンを使って家の仕事を手伝っています。

 妹の家の周りはほんとうに田んぼが一面に広がっています。近所の方が作っておられる畑の野菜・果物をハクビシンやイノシシが荒らして困ると聞くと「えっ!そんなのがいるの?」と千葉の田舎に暮らす私。 

 「近くのコンビニまで車で15分やからね。車がないと困るんよ。」と妹。

 ヘルメットをかぶった女子高校生が田んぼの間の道の両サイドに分かれて自転車で走ってくるので「危ないなあ。」と言うと、「自分らの道や思ってるんや。」と妹の旦那殿。 

 私の住む町はどんどん田畑が建売住宅に変貌しているので、40年前に越してきたときビックリした「ウシガエル」の鳴き声も全く聴かなくなっているのです。

 お米が主食の日本に、パン屋さんが多くなり我が家も朝はパン焼き機で焼いたパン。姪っ子の「お米」の話は、まじかに田植えから秋の金色の稲穂の波を見て育った子の自然な言葉なんですね。

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