精神科医の中井久夫先生の本、図書館にあった3冊を予約していました。届いたと電話がありまして。
1冊は「いじめのある世界に生きる君たちへ」との題名の2016年に出された「いわさきちひろ」さんの絵と大きな文字の子どもたちに向けた本でした。
まず「いじめは犯罪でないという幻想」が目に飛び込んできました。学校には交番もないし裁判所もないし、言って行くところないよねえと中井先生のところに通ってきていた少女に話されたという文章があります。
殺人は犯罪、ただし戦場で行ったときには犯罪でなくなるように、「罪に問われない、学校は法の外にある。」との言葉はグサッときました。
いじめ、という言葉は軽すぎるのです。その後の人格にずっと残る影響を与えるものです。
これは大人にも起こりうることです。パワハラ、セクハラ等権力欲の氾濫状態です。人間には「権力欲」があるのだと、わかりやすい言葉で書いてあるのですが。権力欲には食欲や睡眠欲のような真の満足、真の快さがないのですと。
権力欲を消滅させることはできそうにないけれど、権力欲をコントロールして、より幸せな社会を作る道筋を考える値打ちはあることだと説いていらっしゃいます。
人間の奥深くにある心理の怖さ。いじめの傍観者にも群衆心理や被害の当事者になりたくないという恐怖心はアウシュビッツにも通じるものだと。
子どもたち、いいえ大人も大いに、深く考えて対処していかないといけない大事件なのです。
この本を読んだ一人のお父さんがご自身のお子さんに噛み砕いて教えられたとあるのですが、とても大事なことだと。私はこの年令になってもっと学ばねばならないことがあったと思い知らされました。
私の息子、今は40歳代の息子も都内の幼稚園に通っていたとき、幼稚園の女性の先生に足をつねられたり、特別元気のいい女の子の集団のいじめにあっていたのです。やはりいじめられていたもうひとりの男の子のお母さんと転園を考えたりしたのですが、いろんな壁にぶつかって断念したのです。そのことはずっと記憶の底に残っています。
子どもたちの大切な命を守っていくために、大人も学び直す必要があるのだと痛感する所以でもあります。
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