私が40年前に銀行でパート事務(窓口の後方入力事務)をしていた1年間。総務のパート事務として働いていたのが一昨日電話をかけてきてくれた1歳歳下の女性でした。仕事中に話をすることなどは全くない銀行業務。
たまたまお昼休憩が一緒だったりしたときに、当たり障りのない会話をする程度だったのですが。すんなりと話せる空気を感じてはいました。
その当時の銀行は土曜日も午前中は営業していましたので、日曜日にお茶飲みをしたような、遠い記憶なんですけれど。土曜日の午後だったか?
パートでもふたりとも社員さんと同じように頑張って働いていましたが、私が働く前にはパートから正社員になれる道が開けていたそうなのです。でも既にその制度は無くなっていて時給500円でした。
銀行は午後3時にしまってから1円合わなくても、みんな総出で伝票と突き合わせて1円の過不足を探し出さないといけませんでした。
彼女も私も独身のときに金融機関勤めでした。彼女は千葉県出身の女性でご主人のご両親とお子さん1人の家庭。ただご主人が職を転々とされていたと知ったのは1年も終わりにさしかかったころでしたね。「ボーナスをもらったことがないのよね。転職も私に相談は全くなくて、親にだけ言ってるみたいなのよ。」と。
私は1年間働いてみてこのまま時給500円じゃダメかなあと思って転職したのですわ。
でもその後もお茶飲みを1年に一度程度の頻度で会っておしゃべりをしていました。彼女が銀行のパートは離婚を念頭にして来ていたことを知ることに。お子さんが中学校に上がる区切りで離婚して親元に帰りました。離婚するまでは銀行で土曜日まで働きながら、日曜日は一日中台所で1週間分のおかずを作って冷凍しているんだとサラッと言っていた女性でした。働くことが習性になっている人だと感心していた私。
それからは地元のスーパーの経理をしていたようです。人手が足りなければレジもやったりととにかく何でもやってるわよと、たまの電話で聴いていました。小柄で華奢なのに病気ひとつしないで元気でしたね。ところがスーパーも競合他社がでてきたりで、電話で話すたびに「いつ潰れるかわからないのよね!」と言い続けて、結果そのとおりになって。でも彼女は次の仕事を探しては働き続けていました。
彼女のお母さんも働きづめで亡くなって、お父さんも。実家も古くなり彼女1人で維持管理していくのも負担が大きく「家を売りたいのよ。」と。しばらくぶりにかけた電話で家が売れたので引っ越したと。今は賃貸暮らしのようです。娘さん夫婦の近くで。早朝はコンビニ、お昼はスーパーのレジと2つの仕事をしながら、65歳で年金を貰えるようになったら仕事を1つにしたいわと。
来年70歳の彼女。そのスーパーの定年は70歳。大手スーパーのレジはすることがやたら多くて、新しいカードのお勧めもするよう指示もあるとかで聴いているだけでも大変なのがわかります。「おじいさんやおばあさんにカードを勧めるのはねえ。その後に使い方の説明をしないといけないんだけどさ。なかなかねえ?!」それが困難な仕事だとよくわかります。
そのスーパーの会社も人件費を節約するためにレジのパート女性に対してアレもこれも要求しているように感じます。それもこの時代背景のゆえのことなのでしょうか。私がデパートで働いていた当時も「カード」を勧めるようにと指示されて、獲得数のグラフが貼ってありましたけれど、今ほどカードやキャッシュレスの多い時代ではなかったのを思い出しました。今の時代の多様さはスーパーのみならず、販売店のレジ仕事は覚えなければならないことが多くて大変だろうと思いますね。
とは言え、そのうち無人レジになったらなったで働くところが減ってしまいます。そう考えると、この過渡期の行く末もまた暗澹とした思いになってしまいます。硬貨が要らなくなるとか聞こえ始めていますからねえ。まあ、それはともかく、今現在あれもこれも指示されながら、彼女は働いているんですわ。
なので、食べても身につかないそうで5k痩せたと言っていましたから。(風が吹いたら飛ばされそうよ(-_-;)と)神経をつかうと身体にくる典型です。
それに加えて、パート仲間の1人が接客に全く向いていない人のようでしてクレームの嵐だとか!!私は呆れて「そんなレジの人、今まで聴いたことがないよ。(*_*)」と言い切ってしまいましたわ!!
無愛想の極みで態度が悪いレジを想像してみてください。お客さんも気分が悪くなり、思わず「あんたの態度が悪すぎだ。嫌いだ。」と言いたくなるほどのレジの対応!そう言われたレジの女性が平然と「私も嫌いです。」とお客さんにいうスーパーの空気を(-.-;)
ありえへんわ😯 そりゃ、クレームになるわ。「お客様は神様です。」とまでは言いませんが、接客業をしてきた私には考えも出来ない光景です。その態度の悪いレジの女性には「あの人はクレームが多いから。」と何も他の仕事をさせずに、彼女ともうひとりの女性に仕事を押し付けて来る上司だとのこと。
連れ合いに話したら、「その会社の人間はどうしたら円滑に仕事が回っていくかを考えていないんやな。俺は知らんと真面目に仕事しているパート同士でなんとか回してくれと無責任なんや。そんな会社は行く末が見えとるで。どっちみち回っていかんな。」と言うとりました。それも世の中よくあるパターンだとも言えますけれど。強く(悪くても)出る相手には何も言えず、真面目に働いている人にその分の負担を背負わせるという困ったパターンです。
おまけにまだあるんですよ。新しい人が入ってこられたんだそうですけれどね。週に3回の出勤に「今日は子供が具合が悪くて〜」「今日は自分が体調が〜」「今日は親が〜」とその日の朝に電話があるのだそうです。それを「突発」と業界用語で言います。(デパートでもそうでした。)
その日の朝に休むと言われたらもうアウトなんです。休憩もまともに取れず倍ほど忙しい1日を送ってクタクタになるのですわ。かと言ってお手当がつくわけもなく、ね😢
私も突発は出来ないと覚悟をしていたデパートで働いていた日々を思い出して、その突発を頻繁にする人には申し訳ないですがまだ仕事をするには無理なのではないかと思いましたわ。
そんなきつい仕事環境のなか頑張っている彼女はまた、徒歩圏内の個人店で募集があると娘さんから聴いて面接に行ったんですって。スーパーの4時間の仕事を午前中に終えて帰宅後、午後2時から5時まで働いているのだと聴いたのです。今年の3月からもう3ヶ月目に入ったようでした。「やっぱり年金だけではきついから、働かせてもらえるなら70歳のスーパーの定年後はそのお店で働いていくつもりなのよ。」と言っていました。
そのお店がお団子や柏餅などを作って販売しているので、またまたなんでもしなければいけない個人店だそうでして。価格が安いのでよく売れるために、もち米の入ったた大きな鍋をもつのは腰に来たけどねと言いながら、洗い物をして店頭にお客様が見えれば販売もと。あの華奢な身体で働いている様子が目に浮かびます。でも「精神的に何もなくはないけどさ。まだスーパーよりはましだからね。ずんだ餅のずんだが冷蔵庫に入って固くなっているのをお団子に乗せるのが難しいのよ。ベテランさんはササッとつけてるのにね。」と彼女。
「慣れよ。それは慣れていけばできるわよ。」としたこともないくせに私はそれしか言えませんでした。
彼女が「スーパーを辞めたら体重も増えると思うからさ、また会おうね。」と、私はもちろん「会おうね。メールするからね。」と電話を切りました。
私自身働いてきて、職場で知り合った女性たちは日々こうして身を粉にするように働いているのです。
女性共同参画も、何もねえ。こうした下支えの労働があって社会が回っているのを知るべしでしょ!
この世の中、女性も男性も働いて成り立っているのです。
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