父に月に数回は電話をかけて話をします。携帯電話の履歴で確認してみると、今回は10日間電話していなかったわといった調子で。
呼び出し音が何度も鳴っても出ないと心配になりますが「もう電話が古いからなあ。なんも音がせんのや。」というときもあり「うとうとと寝てしもうてたみたいや。」「今日は風呂の日やったから。」とさまざまな返事。
それにしてもそうした会話が出来ることが凄いことだと毎回感心しているのです。
ネットと宅配業者の方のおかげさまで、甘酒を父に送ることができています。前回の電話で「甘酒はもうない。せやけどええからな。」と父。酷暑を乗り越える点滴だと言われる甘酒です。お米と麹菌だけで私も大好きな甘酒が作られます。今は亡き母が作っていた甘酒が好きでした。食べ物について回る記憶ってあるものですね。
ネットで購入して送ってもらえるのは「便利」になった恩恵です。感謝!
「届いたで。おおきに。」と嬉しそうな父の声に安堵する私です。その声が私が子供だった頃となに一つ変わっていないのです。
阪神の優勝パレードでの人出の多さをテレビで見たので「凄い人やったねえ。阪神の優勝パレードは。」と話すと「せやなあ。えらいようさんの人やったなあ。来年が愉しみや!」と父の嬉しそうな声が聴けました。
それにしても何一つ認知機能の衰えていないのがありがたくもあり、不思議に思うのです。施設のなかに親しく話す人がいるわけでもないですしね。ただ朝ごはんでエレベーターで降りていく途中も食堂でも必ず「おはようございます。」とあいさつをするんだと言っていました。大半の高齢の方は返事がないけどなと父。
「挨拶くらいせんといかんからなあ。それは礼儀やからなあ。」と父。
今回は「いつも部屋のことをやってくれるおばさんから”〇〇さんは何にも変わってはらへんねえ”と言われたわ。」と電話口の父。新聞を隅から隅まで読んでいて、テレビの報道と野球は見ているようです。今の日本の状況も全て承知しているので「打てば響く」会話が成立します。
私が政治家のことなど腹立たしいと言えば「昔からなんも変わっとらんわ。いっつものことやなあ。」と苦々しく言っていますからねえ。この父にしてこの娘ありですか(笑)
私が小学生の時に「テレビの報道は見るんやで。社会のことを見とかなあかん。」となぜか教えてくれたのがそのまんま継続中ですわ。
「もう数か月で99歳や。この調子やったらいけそうやなと思うけどな。」と。
私が救われているのだと思い、父ロスの衝撃に耐えられるだろうかと思ってしまうこの頃です。
================
にほんブログ村「団塊の世代」カテゴリーのランキングに参加中です。
いつも応援クリック有難うございます♪